自然空気漏れって何?

その他

◆もう一つの問題空気圧管理

車は、4本のタイヤに支えられて走行しています。
そのタイヤは空気によって維持しています。
と言う事は、タイヤに空気がなければ車は走行することができません。

車で唯一路面に接しているタイヤ。
言い換えれば、タイヤに命を預けていると言える程大切な部品で、タイヤメーカーも毎月1回は空気圧点検を実施するように啓発しています。
しかし、タイヤの空気圧を気にしている方は以外に少ないのです。

下記に紹介するJATMA(社団法人日本自動車タイヤ協会)が毎年行っている「タイヤの日」のタイヤ点検結果では、

約46%の車両がタイヤに不良があり、中でも空気圧不足と空気圧過多が圧倒的に多くなっています。


それは、タイヤと空気圧についての知識がないからではないでしょうか?

 

◆タイヤの空気圧はナゼ減るのか?

タイヤの空気が抜ける原因は、自然空気漏れと言いますが。
解りやすく展示会でよくあるお客様とのやり取りの形でご説明してみましょう。

STAFFタイヤの空気圧の低下は、自然空気漏れが原因です。
お客様自然空気漏れってなんですか?
STAFF自然空気漏れって、タイヤゴムから空気が漏れる自然現象です。
お客様タイヤのゴムから空気が漏れる?そんなことないよ!
空気はタイヤバルブから漏れるんだよ。
STAFF

ゴム風船は数日でしぼむでしょ?

ゴムは空気を通すからで、これが自然空気漏れです。
タイヤもゴムですから、風船と同じように空気が漏れます。
タイヤバルブやバルブコア、ホイールが傷んでいたら空気漏れが起こることがありますが、
タイヤゴムからは確実に抜けているのです。
特に空気圧の高いタイヤからは多く漏れます。

お客様風船とタイヤは違うだろう!
STAFFいえいえ、どちらもゴムですから空気が透過しますよ。
タイヤメーカーさんも月におよそ5%減っていくと言われています。
風船よりもゴム厚があるタイヤの方が抜けにくいですけどね。

お客様そうか…
STAFF

タイヤに空気の代わりに「窒素」の充填を勧められたことはないですか?
窒素は酸素に比べて通過係数が小さいため、ゴムの透過率が酸素に比べて低くなるから、
空気が抜けにくいということですが、半年くらい経過すると効果もだんだん落ちてくるようです。
だから、1度充填すれば良いとは言えないようですね。

お客様窒素は勧められたことはあるよ。
それって、1度入れればいいのかと思ってた。
STAFFもちろん、何もしないよりも、窒素を充填することは良いことですが、1度充填したからといって安心をしていてはいけませんね。
お客様なるほど…空気漏れが起こることは解ったけど実際に空気漏れでどうなるの?
STAFF

自然空気漏れで空気が抜けて、タイヤの空気圧が低下すると色々な弊害がでてきます。
タイヤの「たわみ」が発生して、道路との接地面積(ころがり抵抗)が大きくなるから

●経済面では
・エンジンに負担がかかって燃費が悪くなります。
・接地面が広くなるので、磨耗速度が早くなったり、偏磨耗の原因になります。

●安全面では
・「ブレーキ」「発進」「加速」性能が十分に発揮できない。
・バーストやパンクの原因にもなります

お客様そうは言っても、空気圧だけで燃費ってそんなに変わらないでしょう?
STAFF

走り方にもよるでしょうけど、50kpa(キロパスカル)空気圧が低下していたら、高速道路では4.8%も燃費が悪化する
いうデータが省エネルギーセンターの調べで出ていますよ。
50kPaというと、規定空気圧を230kPaとすれば、約5分の1減った場合ですね。

 

お客様エエ!!そんなに違うのですか!?
STAFF

その上、タイヤが路面に接地するトレッド部分が、偏って減る「偏磨耗」が発生するからタイヤの寿命も短くなるのです。

規定空気圧の場合タイヤは規定空気圧で走行すれば、トレッド(路面との設置面)の減りに偏りがなく、本来のタイヤ寿命をまで使用することができます。
空気圧が低い場合タイヤに張りがなくなり、タイヤが歪んでトレッドの両サイドが偏った減り方(偏磨耗)をするために、タイヤ寿命が短くなります。
空気圧過多の場合タイヤが膨らんでトレッドの中央部が偏磨耗するために、タイヤの寿命が短くなります。
お客様ああ、ショップでタイヤのローテーションを勧められる時に聞いたことがあります。
STAFFそうです。偏磨耗対策としてタイヤのローテーションも大切ですね。
普段からタイヤの空気圧管理をしておけば、偏磨耗が発生しにくくなりますよ。
お客様そうか、環境にも財布にも悪いわけだ…
STAFFその上、パンクやバーストする恐れまででてきますよ。
お客様空気圧が低くなるとパンクが増える?
STAFF

そうです。
タイヤの空気圧が低下した場合、タイヤに張りがなくなって釘等が刺さりやすくさるので、パンクをする可能性が高くなります。
空気圧が低いまま高速走行を行えば、バースト(タイヤが破裂)する恐れが出てきます。



展示会では、このようなお話が良くあります。
タイヤの空気圧について意外にご存知ない方が多いのです。