自然空気漏れって何?

乗用車その他

空気圧管理

車は4本のタイヤに支えられて走っています。そのタイヤを支えているのは「空気」。空気がなければ、車は走れません。

車で唯一、路面に接している部品がタイヤ。まさに命を預けているパーツです。タイヤメーカーも月1回の空気圧点検をすすめていますが、気にしている人は意外と少ないのが現状です。

JATMA(日本自動車タイヤ協会)の「タイヤの日」点検結果では、
53.8% の車両にタイヤ不良。中でも空気圧の不足・過多が圧倒的に多い結果に。

原因は、タイヤと空気圧についての知識がないからではないでしょうか?

タイヤの空気圧は、なぜ減るの?

タイヤの空気は、月に約5%ずつ減っています。

気づかないうちに、
空気は抜けていく。

原因は「自然空気漏れ」。展示会でよくあるお客様とのやり取りで、わかりやすく説明します。

STAFFタイヤの空気圧が下がるのは、自然空気漏れが原因です。
お客様自然空気漏れ…ってなんですか?
STAFFタイヤのゴムから空気が漏れる自然現象です。
お客様ゴムから漏れる? そんなことないよ! 空気はバルブから漏れるんでしょ。
STAFF

ゴム風船は数日でしぼみますよね?

自然空気漏れ 数日後
🎈ゴム風船数日でしぼむ
🛞タイヤ月に約5%ずつ減る

ゴムは空気を通すから。タイヤも同じゴムなので、風船と同じように空気が抜けます。バルブやバルブコア、ホイールが傷んでいると漏れることもありますが、ゴムからは確実に抜けています。空気圧が高いほど多く漏れます。

お客様風船とタイヤは違うだろう!
STAFFいえいえ、どちらもゴムなので空気は透過します。タイヤメーカーも「月に約5%減る」と言っています。風船よりゴムが厚い分、抜けにくいだけです。
お客様そうか…
STAFF

空気の代わりに「窒素」を勧められたことはありませんか? 窒素は酸素より透過しにくいので抜けにくいのですが、半年ほどで効果は落ちてきます。1回入れれば安心、とは言えません。

設定240kPaのタイヤ、100日後の空気圧

空気充填140kPa
窒素充填180kPa
💨空気100kPa減(約42%減)
🧪窒素60kPa減(25%減)

出典:ブリヂストン公式サイトより。恒温庫で100日経過後の実験値(タイヤサイズ195/65R15)。
棒の長さは、設定した240kPaを100%としたときの残りの空気圧です。

お客様勧められたことある。1回入れればいいと思ってた。
STAFF何もしないより窒素充填は良いことです。ただ、充填したから安心…ではなく、定期的なチェックが大切ですね。
お客様空気が漏れるのはわかったけど、実際どうなるの?

空気圧が下がると、どうなる?

タイヤがたわんで、路面との接地面積(転がり抵抗)が大きくなります。その結果…

💰 経済面

  • エンジンに負担がかかり、燃費が悪化
  • 接地面が広がり、摩耗が早まる・偏摩耗の原因に

🛡️ 安全面

  • ブレーキ・発進・加速の性能が十分に出ない
  • バースト・パンクの原因に
お客様空気圧だけで、燃費ってそんなに変わらないでしょ?
STAFF

走り方にもよりますが、省エネルギーセンターの調べでは、50kPa低下すると高速道路で燃費が4.8%悪化します。規定空気圧を230kPaとすると、約5分の1が抜けた状態です。

空気圧が50kPa低いときの燃費悪化率

市街地平均15km/h2.5%
郊外平均28km/h4.3%
高速道路平均78km/h4.8%

スピードが上がるほど、空気圧不足の影響は大きくなります。
2000ccセダンでの実走実験。停止時間を含む平均速度での結果です。
出典:省エネルギーセンター調べ

お客様えっ、そんなに違うの!?

偏摩耗でタイヤ寿命も縮む

路面に接するトレッド部分が偏って減る「偏摩耗」が起こり、タイヤの寿命が短くなります。

✅ 適正均等に減る
⬇️ 低い両サイドが減る
⬆️ 高すぎ中央が減る

タイヤの溝の残り具合のイメージ図(左・中央・右)

規定空気圧トレッドが均等に減り、本来の寿命まで使えます。
空気圧が低い張りがなくなりタイヤが歪み、トレッドの両サイドが減る偏摩耗に。
空気圧が高いタイヤが膨らみ、トレッドの中央部が減る偏摩耗に。

タイヤのローテーションも偏摩耗対策として大切ですが、普段から空気圧を管理しておけば、偏摩耗はそもそも起きにくくなります。

低圧のまま走ると、パンク・バーストの危険も

空気圧が下がるとタイヤに張りがなくなり、釘などが刺さりやすくなってパンクの可能性が上がります。その状態で高速走行を続けると、バースト(タイヤの破裂)の恐れも。

展示会でも、こんな会話は本当によくあります。空気圧について意外と知られていないのです。

JATMA 最新データ:タイヤ整備不良の実態

53.8%実測した340台のうち、183台にタイヤの整備不良
49.7%不良項目のワースト1位は「空気圧不足」
空気圧不足49.7%
その他5.3%
偏摩耗1.5%
外傷0.9%
タイヤ溝不足0.6%
釘・異物踏み0.0%
道路別点検台数不良台数不良率
高速道路213台101台47.4%
一般道路127台82台64.6%
合計340台183台53.8%

出典:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)「2025年『タイヤ点検結果』の報告」(2026年2月5日発表)。2025年1〜12月に全国で実施した路上タイヤ点検のうち、実測によるもの。1台に複数の不良がある場合があるため、不良台数と不良件数は一致しません。

まとめ:月1回の空気圧チェックが、節約にも安全にも、いちばん手軽な対策です。